NEO UNIVERSEを考える③ 〜各パートの音色がもたらす楽曲イメージ〜
こんばんは。寒い夜ですね。
冬になるとガスコンロ1本で火が付くタイプのストーブを持ち出して使うのですが、先ほどストーブの火がフワッと消えていきました。ガス欠でした。
ブログのネタもガス欠にならないようにやりくりしたいものです。
前回、ネオユニの「色」についての記事を書きました。
読んでくれた友人たちから「私はこう思ってた」「もう少し深い感じ」など、さまざまな感想をいただき、私の中でも新たな発見がありました。
曲中に出てくる「空」が朝か夕方かでも全く違う色になるし、「”何色にも染まってない自分”が出会いや経験を重ねるなかで、影響を受けたり与えたりしながら彩られていく」という(ニュアンスの)解釈も、おお〜!と目を丸くしながら読ませていただきました。
感じ方や目の付け所は人それぞれだな、と改めて思っている次第です。
読んでくださった方、感想を伝えてくださった方、本当にありがとうございます。
さて、今回はネオユニ3記事目!
内容は相変わらず感覚的なものですが、「音=虹色」みたいな知的感覚よりは楽器の構成や音の配置などをもとにまとめていきたいと思っています。
題して「各パートの音色がもたらす楽曲イメージ」
今回はNEO UNIVERSEを聴いて感じた各楽器のイメージについて、頭を整理しながら書いていきます。
曲を聴いて私なりに解釈したものをベースにまとめました。気になった方はぜひ読んでみてください。
《目次》
▼各パートが担っている役割を考えてみた
NEO UNIVERSEを構成している主な楽器はギター(リード/バッキング)・ベース・ドラム・各種シンセ(ピアノ/ストリングス/ベース/SE(効果音))です。
それらの楽器隊が、曲のイメージを思い浮かべる際にどんな役割を果たしているかをざっくりとまとめてみました。
※バッキングギターに関しては譜面の表記は「アコースティック」となっていますが、実際に演奏するときは主にエレキギターを使っているため、ここではエレキギターを前提に話を進めていきます。
伸びのあるリードギターはまるで”空飛ぶ鳥”のよう
イントロ部分で目立つ、伸びやかなリードギター。この曲ではE-BOWと呼ばれるエフェクターを使い、バイオリンのような伸びのある音を出し続ける演奏方法を取り入れています。
たしかにイントロの高音部分はストリングスみたいに聴こえますよね。
私はこのギター音を聴いたとき、空を一直線に飛んでいく鳥のようなイメージが浮かんできました。
リズムが一定で、シンセベースが細かい音を鳴らし続ける”無機質”に近い状態だからこそ、リードギターに生命のような何かを感じたのかもしれません。
キックは足音、ハイハットは後ろ足を蹴る音
この曲のドラムはスネアを使わず主にキックとハイハット(※)で構成されています。一定のリズムで比較的ゆったりとしたテンポなので、手数ではなくリズムキープで苦戦しそうな気がします。
そんなネオユニのドラムですが、リズムを「歩く歩幅」に見立てるとあら不思議。キックが足音、裏拍のハイハットが後ろ足を蹴り上げる音に聴こえてくるのです。
この一定に保たれたリズムが楽曲イメージの土台になってきます。
※ハイハット・・・シンバルの一種。シンバルよりも小ぶりで、ペダルによって2枚ある皿状の金属を開閉して音の響きをコントロールすることができるのが特徴です。
ベースラインは曲の”感情”部分
ネオユニ1記事目でも触れたベース。6弦の変則チューニングを用いてボーカルに勝るとも劣らず華やかなメロディを奏でるのが特徴です。
ベースにしてはあまりにも音が高いので、最初聴いたときにはギターだと思っていました。ライブ映像と譜面を照らし合わせてびっくりしたのを覚えています。
そんな”歌う”ベースですが、主旋律を歌うボーカルパートを主人公に見立てたときに、ベースラインは主人公の「感情」にあたるのではないかと思ったのです。
サビで解き放たれたように歌うボーカル、高まる感情を歌い上げるベース。
ベースラインは楽曲の”内に秘めた情熱・温かさ”を表す役割を果たしているような気がします。
サウンドの土台であり、全体の雰囲気を左右するシンセベース
曲のサウンドを支えているシンセベース。Bメロ〜サビにかけてガラッと雰囲気が変わる要因の1つに、シンセベースの音が細かな動きから一定の高さに変わることが挙げられます。
その違いをわかりやすくするため、イントロ部分とサビ部分のシンセベースをそれぞれ2小節ずつ抜き出してグラフにしてみました。
①イントロ部分のシンセベース
②サビ部分のシンセベース
①と②どちらの音も16分音符で鳴り続けていますが、曲全体を通して聴いたときにより不安定で”未来”っぽいのは①のイントロ部分ではないかと思います。
シンセベースの描くフレーズは、楽曲の雰囲気を大いに左右するのです。
ネオユニの”25世紀っぽさ”はシンセベースに委ねられていると言っても過言ではありません。
各種シンセとバッキングギターで奏でる”水分”
打ち込みのシンセベースが低音で鳴り続け、高音部分でリードギターが羽ばたきベースが歌い上げる。
この曲をヘッドホンでしっかり聴くと、かなり奥行きのあるサウンドに仕上がっているように感じます。
その中で活きてくるのが中間部分で鳴るピアノやバッキングギターです。
特に印象的なのが、Aメロ部分でフワッと響くピアノ音です。ライブではkenさんがその部分をギターで弾いていたりしますが、その際にもディレイ(音を遅らせるもの)を使っているように聴こえます。
私にはAメロで鳴っているギターやピアノが、水溜りに雫が落ちて広がる感じに思えるのです。
その”水気を含んだ”ような音が、2サビ後になると音の粒が涙のような感じに聴こえてくるのがまた不思議です。
私がネオユニに生命力のようなものを感じるのは、中間音に”水気”を感じるからかもしれません。
▼私の感じたネオユニは「文明×生命力」
今回は、NEO UNIVERSEの楽器の音から曲中での役割を考えていきました。
我ながら「鳥」やら「水気」やら「足音」やら、やけに自然的な要素が多いなとも思いますが、これは私がこの曲を聴いたときに
「文明と自然が共存した素敵な都市」
「明るいけど陰りの見える未来」
「前を向いて進む姿と揺れ動く心」
など、物事の”二面性”のようなものに惹かれたからかもしれません。
メタリックな建物と共存する自然・・・ちょっと素敵じゃないですか?
さて、今回の記事をもって一旦NEO UNIVERSEから離れます。
いろんな曲をたくさん聴き込んでからもう一度この曲を聴くと、また違った感じ方ができるかもしれません。
あっ分析曲のリクエスト絶賛受付中です!採用するかどうかは私の気分次第ですが
それでは素敵な夜を。まったね〜!