花と音色と虹と

ラルクの音楽的な魅力を考えるブログ。

息抜きアンシエル vol.1 〜さらっと読めるコード・スケールの基礎理論〜

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こんばんは。寒い夜ですね。

東京でも雪がちらつくなか、1日中家に引きこもって楽曲分析を進めていました。

コード進行を解説するために基本的な音楽理論をまとめていたら、メインの分析よりも幅を取ってしまいオーマイガー。

ということで今回は、楽曲分析に入る前に記事でよく出るであろう単語や理論を簡単にまとめていきたいと思います。

 

題して「さらっと読めるコード・スケールの基礎理論」

 

これを読めばきっと今後の分析記事が楽しくなることでしょう。

理論の導入部分を扱っているので完全に音楽理論初心者向けです。たぶん。

 

 

初級編:基本的な音の考え方

ここで扱うのは主に「調(キー)」「和音(コード)」「音階(スケール)」です。

単語は覚えなくても大丈夫ですが、概念として頭に入れておくと今後何かと便利なので、目を通していただけたら嬉しいです。

 

単音同士の関係性・和音

ピアノの鍵盤やギターのフレットなど、弾く位置によって音が決められている楽器では基本的に1オクターブ12音で構成されています。その中で主に軸となる8音の並びを音階(スケール)と言います。

 

▼スケール例(メジャー・C)

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 いわゆるドレミファソラシドですね。ピアノでいうところの白鍵です。

このスケールをピアノの鍵盤に直すと、白鍵どうしが隣り合っている場合(半音)と2つの白鍵の間に黒鍵が挟まっている場合(全音)で構成されているのがわかります。

ここでは半音を「短2度」全音「長2度」と記載しますので、なんとなく頭に入れておきましょう。

 

▼短2度(半音)・長2度(全音)

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長2度・短2度の関係性は、単音だけでなく2音以上の重なった音にも応用できます。

このブログでは、楽曲に使われている基本的なコードを「トライアド」という3つの和音で表します。

 

▼トライアド(メジャー・C)

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トライアドとは、基準の音(ルート)・長3度(半音+4)にある音・完全5度(半音+7)にあたる音で構成される3つの和音のことです。

画像にある和音では、ルートが「ド」・長3度が「ミ」・完全5度が「ソ」になります。ルートにあたる音が今回のテーマである「コード」の調(キー)になります。

例にあげた和音はメジャー・トライアド(長三和音)と呼ばれ、このほかにマイナー・トライアド(短三和音)と呼ばれるルート・短3度(半音+3)・完全5度で構成される和音もあります。

ちなみに「メジャー」は長調、「マイナー」は短調と表すことができます。個人的に長調明るい音色、短調暗めの音色に聴こえる気がします。

 

コードネームの割り出し方

カラオケに行くとき、「キー」を変えたり原キーに設定したりしますよね。そのキーというのが、楽曲を構成するメインの音程になります。

先ほど説明したトライアドのルート(調)を基準に、上の2音を調べて調性(メジャーorマイナー)を割り出します。

調は「」の音を基準にA〜Gのアルファベットで割り当てられているので、コード名は「(A〜G)+調性(M or m)」で表すことができます(ここでは扱いませんが、和名で表すと「いろはにほへと」になります。)

 

▼メジャー・マイナー コード早見表

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※「#」は半音上げ、「♭」は半音下げの記号として使っています。

 

上の図表(細かくてすみません)を見ると、#や♭の数(調号)が一緒なのに頭文字のアルファベットが違いますよね。

その意味を「G」と「Em」の関係性を例にあげて解説します。Gと同じ調号で短調に移行するときに、ルート音が「」から「」に下げられていますよね。この2音をピアノの鍵盤で表すと短3度分離れていることがわかります。

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他の調も例外ではありません。「F」と「Dm」、「B」と「G#m」など全ての調において短3度の長短関係が成り立ちます。そのため、同じ調号でメジャーからマイナーに移行した際に”ルートから短3度下の調”を表すアルファベットを用いるのです。

この法則が頭に入れば、トライアドを見ただけで”何の調の長/短”かわかってくるはずです。これがわかれば譜読みが急激に早くなります(人によります)

 

中級編:コードに深みをもたらす”絶妙な1音”

さて、コードの基礎的な部分はある程度理解できたかと思いますが、ここからは4音以上の和音から作られるちょっと変わったコードを紹介します。

今回扱うコードは、トライアドの上に1音乗せる「追加和音」と呼ばれるものです。

先ほど紹介したトライアドに1音足すだけでガラリと印象が変わるため、曲に深みを出したいときやサビ前の切り替え時などでよく使われています。

 

6th/7th・コード

数字の表記はそれぞれルートから何度上の音かを表していて、6thはルートの「長6度(半音+9)」・7thは「短7度(半音+10)」「長7度(半音+11)」の位置に付け加えます。

「C」のトライアドに乗せる音は、6thだと「」7thだと「」になります。

 

▼「C」コードの6th・7th (C6/C7)

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6thは完全5度の「ソ」と長2度の関係にあり、音が近いため少し濁った響きになります。7thは完全8度(1オクターブ上のルート)の少し下なので”未完成っぽい”響きを感じますラルクの楽曲にも、7thで終わらせる曲がいくつも存在しています。

6thも7thも完全8度の範囲内に置かれているため、音がギュッと詰まった感じに聴こえます。では1オクターブを超えた位置に音を乗せたらどうなるでしょうか?

 

アド(add)・9

こちらは完全8度のさらに上、長9度(半音+14)の位置に音を乗せるコードです。

「add」とは「additional(アディショナル)」の略で、その名の通り「付け加える」という意味が込められています。

6thや7thと違って完全8度を超えた位置に音を加えるため、トライアドにおける完全5度よりもかなり高い位置に1音加えるようなイメージを持つと良いかもしれません。

「C」のトライアドに乗せる音は、1オクターブ上の「レ」になります。

 

▼「C」コードのadd9

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add9は完全8度よりも上の位置にあるため、完全5度である「ソ」の響きを邪魔することはありません。しかしルート音「ド」に関しては1オクターブ離れた先で長2度の関係になるため、「ド」に対して不協和音を起こす作用があります。

このコードはトライアドの上に1音乗せる「Cadd9」だけでなく、7thを含んだ上で長9度の音を加える「C9」など、完全8度を超える音ならではの応用方法があります。

6thや7thと並ぶくらいの便利屋さんなので、頭の片隅に留めておきましょう。

 

応用は楽曲分析で

今回は基礎的なコード・スケールの理論をまとめましたが、もちろん全て紹介できた訳ではありません。

例えばスケール。メジャースケールマイナースケールで違いがありますが、ポピュラーの場合はクラシックよりもそこの境界線が緩く感じられたので今回は割愛しました。

また、トライアドにはメジャー・マイナーだけでなく三和音の中で音が上下するものもありますが、それらに関しては楽曲分析のときに見かけたら紹介します。

sus4」というルートの4度上に音を置くコードもありますが、それも後々紹介しようかなと思っています。

理論を踏まえた上で曲を聴くと、ちょっとしたコード進行やイレギュラーにも敏感になります。

もしかしたら今まで持っていた楽曲イメージも少し変わるかも・・・?

知っていて損はしないので、興味のある方は音楽理論に触れてみると良いかもしれません。

 

参考書籍:『標準 ポピュラー音楽理論 改訂新版』

標準 ポピュラー音楽理論 改訂新版

標準 ポピュラー音楽理論 改訂新版

 

 

息抜きアンシエル vol.0 〜自称”ラルクの声マネうまい”人、本家より”斎藤さん”に似ている説〜

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こんばんは。

正月も終わり、世の中はすっかり普段の日常を取り戻していますよね。

私も年が明ける前とほぼ変わらない毎日を過ごしています。

 

さて、今回は「息抜きアンシエル」!

普段ラルクを聴いたり触れたりして思ったことをふわっと書いた息抜き記事です。

分析よりもだいぶ軽めの内容になっているので、デザートの片手間にちょろっと読んでいただけたら嬉しいです。

そんな息抜きアンシエル、1回目のテーマはこちら!

 

「自称”ラルクの声マネうまい”人、本家より”斎藤さん”に似ている説」

 

はい。もしかしたらタイトルを見て何か思い当たる方もいるかもしれませんね。

忘年会やら新年会やらで大勢でカラオケに行ったとき、それなりの確率で遭遇する”ラルクモノマネ”。

声マネを駆使して自信満々に歌い、周りは「めっちゃhyde」「本家超え」などと褒めちぎる。そんな彼らを隠れラルクファンの私が死んだ魚のような目で見守る・・・。よくあるカラオケ宴会の風景です。

hydeさんよりトレンディエンジェル斎藤さんに似ているなんて口が裂けても言えません。

 

しかし、ここで疑問に思うことがあるのです。

「なんでカラオケでラルクの声マネする人って似てないのに自信満々なの?」

そんな謎を今日は解き明かして(?)いきたいと思います。

 

モノマネ芸人は「誇張」 のプロフェッショナル

あえて斎藤さんの名前を出すことで軽くdisっているような感じになっていますが、批判する気は全くありません。

むしろ私自身、トレエン斎藤さんのラルクネタは結構好きです。

歌い出しの母音を妙にねっとりさせたり、ビブラートをきつめにかけたり、裏声でおもむろに目を閉じてみたり。

彼は”本家っぽい雰囲気を醸しながら一般大衆にわかりやすくネタ化する”、いわば誇張がとても上手いのです。

それはほかのモノマネ芸人さんにも言えることです。みんな誇張のプロ。

カラオケで得意げにラルクを歌うお兄さんたちも、飲み会のノリでちょっと大げさに真似ている気がします。

そんな彼らに似合う褒め言葉は「似てる」ではなく「ウケる」ではないかと思うのは私だけでしょうか。

 

ベースにあるのは「”90年代V系”のテンプレ」?

モノマネ芸人さんたちは、ラルクの曲をよく聴いて特徴を掴んだ上で誇張をしていますよね。しかし、宴会で遭遇する”ラルクモノマネ”の中には必ずしもそうでない人もいます。

 ラルクを得意げに歌う人たちのなかには、「90年代V系」を満遍なく歌う人も少なくないですよね。そしてどのバンドも似たような声質で自信満々に歌い上げます。

X JAPANGLAYLUNA SEAも全部同じ、歌い分けなんて概念はまるでありません。しかもたいして似ていない。

なぜそんな事態が起こってしまうのでしょうか?

答えの1つとして、ラルクの楽曲に自分なりの「90年代V系イメージ」を重ねて歌っていることが言えます。

基本的に90年代にヒットしたビジュアル良さげなバンドの曲は全部一括りにしちゃっているのかな、と思う節が多々あるのです。 

便利ですね、90年代V系のテンプレ。まあそもそもラルクって厳密に言えばV系じゃないんですけどね

プロのモノマネでは笑えてカラオケのモノマネで笑えないのは、芸の上手さだけでなく本家へのリスペクトの度合いも関係しているのではないかと思っています。

 

本家と自分の歌、聴き比べたことあるのかな?

今回は「ラルクの曲を似せて歌うと”斎藤さん”っぽくなる」というテーマでカラオケモノマネの”コレジャナイ感”について語ってきました。

もちろん本気で歌い方を研究している人もいるとは思いますが、ここではあくまで「オレ似てるから(ドヤァ)」というタイプの人を指しています。

モノマネ芸人さんは誇張のプロです。彼らのモノマネが上手で面白いからこそ、宴会でラルクを歌う人が増えたのも事実でしょう。

しかし、笑いのプロがネタとして行う”hydeさん”は決して似ているわけではありません。

似せているというよりは、笑いを取りにきているのです。

そんな芸人さんに影響されてカラオケで声マネすれば、自然とテレビで見たような感じの誇張が入ります。なぜなら本家よりテレビの方が頭にインプットされているから。

しかし芸人さんと違い、技術も本家へのリスペクトも薄いので似てない上に面白くもないというファンにとっては最悪の空間が生まれてしまうのです。

宴会のノリでhydeさんの声マネをしている人って、音源も自分の録音した声もそこまで熱心に聴いていないのかもしれません。

(本家と自分の歌を聴き比べさせたらどんな反応を示すか試してみたい気はします)

  

まあしかし、結局はカラオケも自己満足の世界。他人の歌声にモヤモヤを抱くのもナンセンスだとは思います。

それでもラルクファンのなかで「あ〜わかる!」と思う方がいたらいいな、という気持ちで書きました。

ちなみに私も、前に軽音楽部で歌った『NEO UNIVERSE』の録音を聴いたとき、恐ろしいくらいに気持ち悪い歌い方をしていて笑いが止まらなくなりました。

他人のこと言えねえじゃん!!〜fin〜

NEO UNIVERSEを考える③ 〜各パートの音色がもたらす楽曲イメージ〜

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こんばんは。寒い夜ですね。

冬になるとガスコンロ1本で火が付くタイプのストーブを持ち出して使うのですが、先ほどストーブの火がフワッと消えていきました。ガス欠でした。

ブログのネタもガス欠にならないようにやりくりしたいものです。

 

前回、ネオユニの「色」についての記事を書きました。

読んでくれた友人たちから「私はこう思ってた」「もう少し深い感じ」など、さまざまな感想をいただき、私の中でも新たな発見がありました。

曲中に出てくる「空」が朝か夕方かでも全く違う色になるし、「”何色にも染まってない自分”が出会いや経験を重ねるなかで、影響を受けたり与えたりしながら彩られていく」という(ニュアンスの)解釈も、おお〜!と目を丸くしながら読ませていただきました。

感じ方や目の付け所は人それぞれだな、と改めて思っている次第です。

読んでくださった方、感想を伝えてくださった方、本当にありがとうございます。

 

さて、今回はネオユニ3記事目!

内容は相変わらず感覚的なものですが、「音=虹色」みたいな知的感覚よりは楽器の構成や音の配置などをもとにまとめていきたいと思っています。

 

題して「各パートの音色がもたらす楽曲イメージ」

 

今回はNEO UNIVERSEを聴いて感じた各楽器のイメージについて、頭を整理しながら書いていきます。

曲を聴いて私なりに解釈したものをベースにまとめました。気になった方はぜひ読んでみてください。

 

《目次》

 

▼各パートが担っている役割を考えてみた

NEO UNIVERSEを構成している主な楽器はギター(リード/バッキング)・ベース・ドラム・各種シンセ(ピアノ/ストリングス/ベース/SE(効果音)です。

それらの楽器隊が、曲のイメージを思い浮かべる際にどんな役割を果たしているかをざっくりとまとめてみました。

※バッキングギターに関しては譜面の表記は「アコースティック」となっていますが、実際に演奏するときは主にエレキギターを使っているため、ここではエレキギターを前提に話を進めていきます。

 

伸びのあるリードギターはまるで”空飛ぶ鳥”のよう

イントロ部分で目立つ、伸びやかなリードギター。この曲ではE-BOWと呼ばれるエフェクターを使い、バイオリンのような伸びのある音を出し続ける演奏方法を取り入れています。

たしかにイントロの高音部分はストリングスみたいに聴こえますよね。

 

私はこのギター音を聴いたとき、空を一直線に飛んでいく鳥のようなイメージが浮かんできました。

リズムが一定で、シンセベースが細かい音を鳴らし続ける”無機質”に近い状態だからこそ、リードギター生命のような何かを感じたのかもしれません。

 

キックは足音、ハイハットは後ろ足を蹴る音

この曲のドラムはスネアを使わず主にキックとハイハット(※)構成されています。一定のリズムで比較的ゆったりとしたテンポなので、手数ではなくリズムキープで苦戦しそうな気がします。

 

そんなネオユニのドラムですが、リズムを「歩く歩幅」に見立てるとあら不思議。キックが足音、裏拍のハイハットが後ろ足を蹴り上げる音に聴こえてくるのです。

この一定に保たれたリズムが楽曲イメージの土台になってきます。

ハイハット・・・シンバルの一種。シンバルよりも小ぶりで、ペダルによって2枚ある皿状の金属を開閉して音の響きをコントロールすることができるのが特徴です。

 

ベースラインは曲の”感情”部分

ネオユニ1記事目でも触れたベース。6弦の変則チューニングを用いてボーカルに勝るとも劣らず華やかなメロディを奏でるのが特徴です。

ベースにしてはあまりにも音が高いので、最初聴いたときにはギターだと思っていました。ライブ映像と譜面を照らし合わせてびっくりしたのを覚えています。

 

そんな”歌う”ベースですが、主旋律を歌うボーカルパートを主人公に見立てたときに、ベースラインは主人公の「感情」にあたるのではないかと思ったのです。

サビで解き放たれたように歌うボーカル、高まる感情を歌い上げるベース。

ベースラインは楽曲の”内に秘めた情熱・温かさ”を表す役割を果たしているような気がします。

 

サウンドの土台であり、全体の雰囲気を左右するシンセベース

曲のサウンドを支えているシンセベース。Bメロ〜サビにかけてガラッと雰囲気が変わる要因の1つに、シンセベースの音が細かな動きから一定の高さに変わることが挙げられます。

その違いをわかりやすくするため、イントロ部分とサビ部分のシンセベースをそれぞれ2小節ずつ抜き出してグラフにしてみました。

 

①イントロ部分のシンセベース

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②サビ部分のシンセベース

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①と②どちらの音も16分音符で鳴り続けていますが、曲全体を通して聴いたときにより不安定で”未来”っぽいのは①のイントロ部分ではないかと思います。

シンセベースの描くフレーズは、楽曲の雰囲気を大いに左右するのです。

ネオユニの”25世紀っぽさ”はシンセベースに委ねられていると言っても過言ではありません。

 

各種シンセとバッキングギターで奏でる”水分”

打ち込みのシンセベースが低音で鳴り続け、高音部分でリードギターが羽ばたきベースが歌い上げる。

この曲をヘッドホンでしっかり聴くと、かなり奥行きのあるサウンドに仕上がっているように感じます。

その中で活きてくるのが中間部分で鳴るピアノやバッキングギターです。

 

特に印象的なのが、Aメロ部分でフワッと響くピアノ音です。ライブではkenさんがその部分をギターで弾いていたりしますが、その際にもディレイ(音を遅らせるもの)を使っているように聴こえます。

私にはAメロで鳴っているギターやピアノが、水溜りに雫が落ちて広がる感じに思えるのです。

その”水気を含んだ”ような音が、2サビ後になると音の粒が涙のような感じに聴こえてくるのがまた不思議です。

 

私がネオユニに生命力のようなものを感じるのは、中間音に”水気”を感じるからかもしれません。

  

▼私の感じたネオユニは「文明×生命力」

今回は、NEO UNIVERSEの楽器の音から曲中での役割を考えていきました。

我ながら「鳥」やら「水気」やら「足音」やら、やけに自然的な要素が多いなとも思いますが、これは私がこの曲を聴いたときに

「文明と自然が共存した素敵な都市」

「明るいけど陰りの見える未来」

「前を向いて進む姿と揺れ動く心」

 など、物事の”二面性”のようなものに惹かれたからかもしれません。

メタリックな建物と共存する自然・・・ちょっと素敵じゃないですか?

 

 

さて、今回の記事をもって一旦NEO UNIVERSEから離れます。

いろんな曲をたくさん聴き込んでからもう一度この曲を聴くと、また違った感じ方ができるかもしれません。

 

あっ分析曲のリクエスト絶賛受付中です!採用するかどうかは私の気分次第ですが

それでは素敵な夜を。まったね〜!

NEO UNIVERSEを考える② 〜視覚と共感覚から迫る、楽曲の”色”〜

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こんばんは。正月三が日もあっという間に終わっちゃいましたね。

ちなみに私は新年早々風邪を引きました。 誰か鼻水の止め方教えてください切実に。

 

さて、年明け1発目にNEO UNIVERSEの”未来感”についての記事を書きました。

読んでくださった方、本当にありがとうございます。

今回はネオユニ2記事目ということで、1記事目よりもう少し感覚的な部分について掘り下げていきたいと思っています。

 

ということで、2記事目のテーマはこちら!

NEO UNIVERSEを色に例えるなら何色か?」

 

あなたはこの曲をイメージしたときに、何色を思い浮かべるでしょうか?

MVや歌詞、ライブ演出、メンバーの衣装などから2〜3色ほど浮かんでくる人もいるかもしれません。

もちろん感覚的なものなので、「この色が正解!」とかはありません。

しかし、曲のどこを重視するかによって、浮かぶ色もある程度パターン化できるのではないかと思ったりもします。

 

そこで今回は、①MVやライブなどによる「視覚」から得られる色②「共感覚」をもとにした色イメージの2点からまとめていきます。

 

《目次》

  

①MVやライブなどによく使われている「視覚」的な色

 

「この曲って何色だと思う?」と訊かれたときにまず思い浮かべるのは、映像や演出などの視覚的な色だと思います。

”視覚的な〜”と言っても、イメージした映像によって浮かぶ色はさまざまです。

ここでは私の中で浮かんだ色を、印象に残っているシーンとともに紹介します。

 

・MVでメンバーがくつろぐバーの内装は「白」

 

ネオユニのMVでも印象的なのが、近未来的なバーでメンバーが大胆にくつろぐシーン。

バーの内装を思い浮かべると白でホワイトで真っ白。驚きの白さです。

だからこそメンバーの姿やカクテルの色も映えるのかもしれません。

 

・MVやライブ映像に出てくる「銀色」のメタリックな建造物

 

ネオユニの歌詞は「25世紀の世界」がテーマになっていますが、映像部分でも”25世紀感”の溢れる未来的でメタリックな建物が映し出さています。

どこまでも無機質で、磨き上げられた金属のような輝きを放つ建造物たち。

銀色の建造物は、この曲の”未来感”を映像面で大きく支えているような気がします。

 

・ライブの衣装の中でも印象的なのは「白」

 

ネオユニ初披露となったライブ、RESET>>LIVE*000』では全身白スーツをまとったhydeさんが印象的でした。

全身白で頭オールバックってもはや天使なのかヤンキーなのか・・・好き!

他にもREALの白いモコモコ衣装や25周年の全身白+女優帽など、ネオユニ演奏時に白い衣装を着ているシーンが私の中で強く印象に残っています。

25周年でhydeさんとtetsuyaさんが揃って白い衣装を身につけて出てきたとき、2人とも眩しくて直視できませんでした。(むしろ空飛ぶ車をガン見してた)

 

・ライブで使われる照明は圧倒的に「青」が多い

 

ネオユニのライブ演出で使われる照明の色は、ほとんどが青を基調としたものです。

水色だったり若干緑の入った青だったり。空をイメージした開放感あふれる演出が多いような気がします。

ライブのセットリストを見ると転換後1曲目にネオユニを置いている公演も多いです。

青いライトで照らされたNEO UNIVERSEは、それまでのシリアスさや激しさを昇華させて”新しい世界”に導いていくようなパワーがあるように感じます。

 

②「共感覚」によって導き出された楽曲の色

 

さて、今までは視覚情報をもとに色を考えてきましたが、ここからは音と色を結びつける「共感覚」をもとにNEO UNIVERSEという曲の持つ色味をまとめていきたいと思います。

 

共感覚」は、ある刺激(情報)に触れたときに通常の感覚だけでなく複数の感覚を生じさせる知的感覚です。

「数字が色で見える」「文字に色が見える」などさまざまな種類の共感覚がありますが、ここでは「音に色が見える」感覚について触れていきます。

 

なぜここで共感覚の話に触れるかというと、私には幼い頃から「音に色が見える」感覚(色聴)があり、ネオユニを初めて聴いたときに澄んだターコイズブルーの色味を強く感じたからです。

 

そこで私が感じた音と色の関係性をまとめてみると、ある法則が浮かんできました。

 

・「ドレミファソラシド」は虹色!?

 

「ド」から「シ」までの音階(半音は含まない)は7つ、そして虹の色も7つで構成されていますよね。

音も光も波形を持っているという点から、音の周波数を光の波長に変換するという研究を行なっている専門家の方もいます。

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音をピアノの鍵盤に見立てて虹色と合わせてみました。私的にはしっくりきています。

ちなみにネオユニのキーはF#(ファとソの間)なので、ちょうど青緑ゾーンにあたります。

私がネオユニにターコイズブルーを感じたのもそこまでおかしくはないかもしれません。

 

この感覚は人によって差異があるので一概に「音は虹色!」とは言えませんが、少なくとも私の中では音階と虹色はかなり結びついているような気がします。

 

(しかし「音は虹色」って響き、だいぶラルクっぽいですよね。

この感性、大事にしていきたいです。)

 

参考:『音と色の関係性による色聴情報の視覚化について』

http://www.adada.info/2015japan/proceedings/b1-2.pdf

 

・半音下げたときに感じたライブ照明への違和感

 

先ほどから「ネオユニのキーは青緑」「ターコイズブルー」などと言っていますが、近年のライブ演奏を聴いたときには原曲キーとはまた違った色味を感じます。

半音下げたネオユニは青緑というよりナチュラルな緑に思えるのです。

 

そのため、原曲キー時に使われていた水色っぽい照明を半音下げのライブで使うと、私の中でちょっとした違和感が生じるのです。演奏は大好きなのですが・・・。

今後たぶんこの曲が元のキーで演奏される確率は低い気がするので、そのうち緑色を基調とした演出も増えないかな〜と軽く期待しています。

 

半音下げ(F)のネオユニで比較的しっくりくるライブ演出はこれかも・・・! 

20th L'Anniversary LIVE-Day2-(Blu-ray Disc)

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③感性は十人十色

 

今回はネオユニの色について考えていきましたが、これはあくまで私の主観です。

青でも白でも緑でも、ネオユニを構成している色であることは間違いありません。

共感覚については他の曲でも触れていきますし、自分の中でもっと整理して改めてまとめたいなとも思っています。

 

次回、ネオユニ3記事目!

楽器の構成やコード進行から曲の物語を考える記事を上げます。

この記事を区切りに、一旦NEO UNIVERSEから離れて他の曲に入る予定です。

今回ほどではないとは思いますがそれなりに感覚重視な内容になるので、気が向いたら読んでいただけると嬉しいです。

 

それでは、まったね〜!

NEO UNIVERSEを考える① 〜曲の”未来感”はどこから?〜

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あけましておめでとうございます。2019年になっちゃいましたね。

最近では毎年、格付けチェックを観ることで1年の始まりを実感しています。

GACKTさんとYOSHIKIさんの無敗っぷりに口を半開きにしながらブログを書いていたら日付を跨いでしまいました。格付けよ恐るべし・・・。

 

さて、今回は年明けと共に聴きたくなる”初ラルク”にふさわしい曲を分析します。

1999年の大晦日に行われた『L'Arc〜en〜Ciel RESET>>LIVE *000』

年越しのカウントダウンが終わり、2000年になった瞬間にお披露目されたあの曲。

 

NEO UNIVERSE (通称:ネオユニ)

 

この曲はラルクのなかでも特に”未来”的なイメージがあります。

CGを駆使したMVには、重力を無視した設計の建物やロボット、空飛ぶ車などの未来っぽい要素が詰められています。

文明に彩られた都市を自由に飛び回るような浮遊感・高揚感を味わえる、21世紀の幕開けにふさわしい華やかな作品ですよね。

映像演出の至るところに散りばめられている未来都市。今回は映像ではなく音源に込められた”未来感”について考えていきたいと思います。

 

≪目次≫

 

宇宙っぽい音は使われていない!?

 

先ほどから「未来」を連呼している私ですが、ネオユニを聴き込む間にとんでもないことに気づいてしまいました。

 

曲の音色自体はそこまで未来っぽくないのです。

 

「ドラムにスネアが使われていない」「打ち込みの比率が高い」などポップス要素の強い楽曲ではありますが、実は1つ1つの音色はわりとアナログ感があります。

ピアノやアコースティックギターにストリングス。もちろん作曲ソフトで代用することも可能ですが、基本的には自然界で生まれた楽器をモデルにした音が使われています。

また、メロディー部分は基本的にボーカルと楽器隊が担当しているため、曲のイメージほどはピコピコしていません。

 

そして何より、未来感を出すために使われがちなコスミック系の音色が使われていないのです。

個人的に少し宇宙要素あるかな?と思ったのはBメロ部分で使われている高音のピコピコですが、この音も乾いた感じのシンセ音に少し手を加えることでかなりソレっぽく作れるのでそこまで宇宙!というイメージはありません。

(実は大学生のときに軽音サークルでネオユニを演奏したことがある←)

 

ネオユニの未来っぽさは音色とは別の部分にありそうです。

ちなみにラルクで宇宙っぽい音が使われているな〜と思ったのは『CHASE』ですかね。

 

未来感=音程の”不安定さ”!?

 

さて、NEO UNIVERSEという楽曲に込められた未来的なイメージはどこから生まれているのか。

まずはこの曲のメインになる音程について解説していきます。

 

NEO UNIVERSE嬰ヘ長調、コードに直すとF#です。

ピアノ経験のある人ならわかるかもしれませんが、この調はとんでもなく弾きづらく不安定なものです。

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ピアノで弾こうとすると、白鍵よりも圧倒的に黒鍵の方が多くてとんでもなく難しいです。

私自身、この調の曲を練習するときにあまりにもミスりすぎて、何度か譜面を床に投げつけたこともあります。(単にヘタなだけ)

ちなみにこの調、譜面に直すとこんな感じです。

 

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本来あるドレミの音(ハ長調)から半音上げる#(シャープ)が6つもあり、見ているだけで目が回りそうです。

ちなみに6つ目のシャープは『ミ』の位置についていますが、半音上げることで『ミ』から『ファ』になります。ややこしい!

 

ピアノでも弾きにくい、譜面に直してもややこしい。

ネオユニを形作る嬰ヘ長調の音程は、実に不安定なのです。

この不安定な音程が楽曲に浮世離れした印象をもたらし、”危うさ”や”未来感”に繋がっているのではないかと思っています。

 

ちなみに曲の音程を半音下げたらどうなるでしょう。

ラルクは近年、ライブ演奏の際にネオユニの調を嬰ヘ長調(F#)からへ長調(F)に下げていますよね。

 

正直、原曲キーに比べて地に足ついた感じがしませんか?

 

ラルクメンバーの演奏技術が向上し、曲に安定感が生まれていることは間違いありません。しかし、やはり半音下げることによってネオユニの持つ”危うさ”はかなり軽減されている気がします。

 

へ長調は譜面上では音程を半音下げる♭(フラット)が『シ』の位置に1つ付いているだけで、ピアノでも比較的弾きやすい調です。

もちろん、譜面のややこしさや演奏の難しさが必ずしも曲のイメージを左右するとは限りませんが、少なくともネオユニに関しては音程の持つ不安定さが曲の持つ危うさに繋がっているのではないかと思っています。

 

高温で歌い上げる6弦ベース

 

NEO UNIVERSEを音楽面から語るときに避けては通れないのがベース。

ラルクの超絶王子様ベーシスト・tetsuyaさんがネオユニを演奏する際、いつも同じベースを使っていることに気づいている方は少なくないでしょう。 

実はあれ、6弦である上にチューニングが本来の6弦ベースと大きく異なる「ネオユニ仕様」のベースなのです。

(ちょっと説明しづらいので6弦ベースのチューニングとギターのチューニングをググって頂けたらめっちゃありがたいです。ちなみにネオユニベースはギター用のチューニングになっているようです。)

 

そんなネオユニのベースですが、曲中では本来のベースではありえないような恐ろしい動きをします。

 

「え?下でうねってる低音ってベースじゃないの?」

 

と思いますよね?あれはシンセベースです。

いかにもベースのような立ち位置でウネウネしながら16分音符を刻みまくるあの音。

あれはシンセベースです。(2回目)

 

では本来のベースはどこを演奏しているのか・・・ ?

ベースの変態さがわかる2サビ部分を抜き出し、譜面に載っている各パートの動きをグラフに表してみました。

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グラフ上で赤い太線になっている部分がベースです。

なんという跳躍力でしょうか、このグラフがプロ野球の順位表だったらジャンプアップにも程があります。

ベース部分は2サビ前からサビにかけて2オクターブ上がっています。

もはやボーカルとどちらがメインなのかわからないくらいに歌い上げていますよね。

 

ちなみにこの高音ベース、通常の4弦・5弦では再現がほぼ不可能なので、コピーする際は1オクターブ下で演奏することをおすすめします。

(完成度がまるで違うのであまり好きではないですがこれは仕方ない。本来のキーは打ち込み音に忍び込ませるしか・・・)

 

しかしこの自由すぎるベースラインと低音でうねるシンセベースの対比が曲に立体感をもたらし、まるで超高層タワーの特別展望台から浮世離れした都市を見下ろすような”未来っぽさ”に繋がっているのではないかと私は思うのです。

 

参考:バンドスコア Clicked Singles Best 13

 

 

危ういけどまとまりがある、それが『NEO UNIVERSE

 

私が感じたネオユニの”未来っぽさ”の正体は、主に「不安定さ」から来ていました。

1つは曲の持つ音程の不安定さ、もう1つはベースラインのメロディ化による構成の不安定さが私の中の楽曲イメージに大きく関わっていたのです。

一方でどこかアナログっぽい音色や、低い位置でうねり続けるシンセベースによる「地盤の安定さ」もこの曲の魅力です。

 

キーやベースラインは危ういけれど、構成は安定している。

地に足ついていないけれど、着地する場所がある。

それが私がネオユニに惹かれ続ける最大の理由かもしれません。

 

ちなみにネオユニの歌詞のテーマは『25世紀の世界』。

つまり、25世紀にいる自分から見た「この世界」の歌なのです。

想像上の世界に生きる”現実”・・・果てしなくて魅力的です。

 

今回は『NEO UNIVERSE』の持つ未来感についてまとめてみましたが、正直これらの要素が必ずしも曲のイメージに直結しているとは言えないのも事実です。

記事を読んで「私はちょっと違うかも」「この部分、未来っぽくない?」と思う方もいるかもしれません。

そもそもネオユニに未来感を抱かない人だっているでしょう。

きっと100人に聴かせたら100通りの解釈が生まれるはずです。

 

あなたのネオユニ観、聞かせてください。

 

DIVE TO BLOG!!!!

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はじめまして。

どこまでも果てなく自己満なブログを始めることになりました。

あと30分ちょいで2018年も終わるというこのタイミングで何かを始めるのも自己満のなせる技でしょうか。

晦日にブログ始める人って私以外にいるのかな?いるよねきっと。

とりあえず、HYDEさんの歌に聴き惚れて文章書きながらうっかり年越しちゃうミスは回避できてよかったです。危なかった!

 

さて、このブログについて軽く説明しますね。

このブログでは、私の大好きなL'Arc〜en〜Cielの楽曲について分析したり、曲の好きな部分にスポットを当てて語ったりします。

時折ゆるい音楽知識なども織り交ぜながら楽曲の魅力を伝えていきますが、できる限り自分の感じたことを言葉にしてオリジナリティ(?)を出せたらいいなと思っています。

 

自己満やらオリジナリティやらを重視するブログなので、たまに(頻繁に)公式の情報をスルーすることがあります。ご了承ください。

また、著作権や肖像権の問題もあるのでMVやライブ動画、ラルクメンバーの画像などは一切掲載しません。代わりに参考資料として他サイトやAmazonのリンクを貼ることはあります。

 

「情報もスルーして動画も写真もないってつまんなくね?」

 

と思ったあなた。そんなあなたにとってはたぶんつまんないです。

正直、需要を考えたら情報を追いかけて早い者勝ちで載せていったほうがいいとは思っています。

ただそのようなサイトなんてこの世に山ほどあるし、何より書いてる私が疲れてしまうので(マジ)

このブログでは私が書きたいことを書きたいだけ並べるスタイルでやっていくつもりです。「わかる人にわかればいい」っていう感じです。

 

そんな果てしなくマイペースなブログですが、もしよろしければお付き合いくださいませ。

ちなみに明日の夜にとある曲についての記事を載せる予定です。

新年にふさわしい楽曲の分析記事になる予定なので、気になる方は読んでみてください。

(ちなみにまだ1文字も書いていません。間に合わなかったらお察しください)

 

それではよいお年を。まったね〜!